ドラマ「カルテット」の主題歌で椎名林檎さんが楽曲を手がけ、主人公である松たか子さん、満島ひかりさん、高橋一生さん、松田龍平さんの4人が組んだユニットDoughnuts Hole(ドーナツホール)歌う『おとなの掟』が本日より配信スタートとなりました!
今回はそのフルVer視聴の感想レビューをみなさんにお伝えします!
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おとなの掟の感想
曲は一発で「あ!これは椎名林檎の曲だ!」とわかるような彼女らしい、ダウナーで妖艶な雰囲気を持つバラードナンバー。
イントロがなく、メインボーカルを務める松たか子さんの「真っ白な中に一つ…」と艶やかな歌声で始まる本楽曲。曲の雰囲気とかなりマッチしていてドラマ版を聴いたときから一発で好きになった曲です。
序盤Aメロはバイオリンと松たか子さんの歌声だけなのですが、曲が進むに連れて徐々にチェロ、ビオラ、パーカッションなどの音が重なって重厚感を増していきます。そして満島ひかりさんのかわいらしくも正確でどこか色気も感じる歌声と松さんの歌声と重なり極上のメロディが耳に響きます。まさに音の洪水、迫りくる音の波が私の耳を容赦なく襲い、聴いていて思わず「エクスタシ〜〜〜」(押忍!サラリーマン番長・鏡より)と声をあげてしまうほどの幸福感が私を包みます。
そして音の厚みはどんどん増していき、男性コーラスである高橋一生さんと松田龍平さんの声が重なっていきます。そう、「カルテット」の完成です。
『おとなの掟』ドラマバージョンとの違いについて
ドラマバージョンとの最大の違いは「サビに入るまでのタメの長さ」です。ドラマのラストではAメロ→Bメロ→Cメロ→サビとスタンダードな曲運びに対して、フルバージョンでは
「Aメロ→Aメロ→Bメロ(ここまで松たか子パート)→Aメロ→Bメロ→Cメロ(ここまで満島ひかりパート)→間奏→Bメロ→Cメロ→サビ」
と曲の最後の最後までサビに入らずメロの繰り返しのみ、焦らして焦らして焦らされて、ラストで一気に爆発するのです。そう、まるで両手足を縛られて椅子に座らされて陵辱を受けているかのような感覚に陥ります。このカタルシスこそがフルバージョンの真価ともいうべき部分なのではないでしょうか。
まとめ
もちろんこの『おとなの掟』は描き下ろし楽曲なのでドラマ「カルテット」本編を観たほうがより歌詞の持つ深みや奥行きなどを楽しめるとは思いますが、それを抜きにして楽曲単体で聴いても近年稀に見る名曲だと私は思います!
椎名林檎ファンとしてはぜひ林檎さんバージョンの『おとなの掟』も聴いてみたいな〜なんて贅沢な思いもあるのでいつかライブなどで演奏してくれたら本当に嬉しいです。
文:ライター・ゆかり