2016年も半分を過ぎようとしていますが、ここらで漫画のおさらいでもしてみようではありませんか。今回は最新の本当に面白いおすすめの漫画を厳選に厳選を重ねて紹介します。
クズの本懐
複雑に絡み合う人間模様と、美しくも儚いタッチが魅力の作品。終焉がまったく見えず主人公たちが幸せになるのか、それとも不幸のまま終わるのか、そのどちらでもないのか。単なる恋愛モノとは一線を画した雰囲気を醸し出している作品でもある。
タラレバ娘
女達3人がもがいているこの場所は天国か地獄か。終わりのない底なし沼、ゴールのないマラソン。そして人生とはそんなものだと言うのは容易いが、簡単に受け入れられないのも事実。痛々しいほどの「リアル(現実)」がここにはある。そう、ここは天国でも地獄でもない。
監獄学園
男の楽園イコール女の園。決して相容れない二つの線と線と交わったとき、笑いが、興奮が、感動が生まれる。絶妙なタッチで描かれる女体は、生唾を飲むという表現にふさわしい、リアルとファンタジー、二次元と三次元が融合した姿と言ってもいいだろう。さぁ監獄という名のエデンに出発だ。
アイアムアヒーロー
大泉洋・有村架純主演で実写化も実現したパニックホラー。僕らのいる世界が突如崩れ去ってしまったとき僕らはなにを思いどう行動していくのか、そのヒントがギュッとブイヤベースのように詰まっている。単なるパニック漫画ではなく、明日から、そしてこの先の未来をどう生き抜いていくのか、それがわかった気がした。
バジリスク 〜甲賀忍法帖〜
「悲恋」そんな単純な言葉では計れないことはできない。様々な思惑が交差する忍び耐えるものたちの戦いがいま始まる。20人の忍びが織りなしていく物語の先にあるものとは。丁寧な描写力と、確かなストーリーテーリング力で読むもの全てを魅了する。
ばくおん!!
美少女とバイクという一見相容れない二つの存在が交わったときここまでのケミストリーが生まれるのかと愕然としたことを覚えている。この感覚はガールズ&パンツァーを初めて目にした時の衝撃に近くこのばくおん!!近い将来「伝説」となるのではないかと密かに期待している。さぁ伝説の目撃者となるのはアナタかボクか、その答えはすぐそこにある。
ワールドトリガー
味気ない絵柄の中にもしっかりと感じさせる熱量はさながら、塩ラーメンがウリのラーメン屋に近いものがある。躍動感、爽快感、そしてそれが破綻せず綺麗な一枚の絵として成立しているのには非常にびっくりした。これからの成長が本当に楽しみな作品でもある。心身気鋭、そんな言葉が似合う。世界(ワールド)を変えるトリガー(引き金)を引く日も近いのかもしれない。
東京喰種 トーキョーグール re
「わかりにくさ」その一見すると短所にしかなり得ない要素をあえて難解なストーリーと同時進行するとこで唯一無二の長所として昇華させている、まさに「天才」いや、「天災」か。先の展開がまったく見えない、おそらく作者自身もどうなっていくのかわかっていないのだと思うがその危うさがたまらなく愛おしく感じる。次に喰われるのは我々読者なのかもしれない。
ちはやふる
広瀬すず主演で実写化もされた少女漫画で、少女漫画の体裁を取りつつもスポ根としてかなり高いレベルで物語を展開している。絵の魅力もさることながらそのこみ上げる躍動感と飛沫はまるでテーマパークに足を踏み入れたときのようなワクワク感がる。地味な「競技かるた」というものを題材にしながらここまで派手さを持たせられるのは才能としか言いようが無い。
転生したらスライムだった件
奇抜なストーリーというものはともすれば「一発屋」「出オチ」のレッテルを貼られてしまいがちだ。しかし、この作品はディテールに淀みが全く無く、1話1話のストーリーの骨組みがしっかりとしている印象を受けた。家で例えるなら外観は洋風、内観は和風と言ったところか。まだまだ改善の余地はあるものの、それを持って余りある魅力を感じさせる秀作。
重版出来!
黒木華主演でドラマ化もされている作品。内部事情を描くということは多少なりとも覚悟を持って臨んでいるのだろうが、そんな重苦しさを微塵も感じさせることなく、終始コミカルなタッチで描かれていて非常に小気味いい。マンアガには必要不可欠とされる絶対悪と呼ばれる存在が一人も登場しないことも大きな特徴で、それはメリハリを失ってしまうというデメリットもあるが、この重版出来に関してはその誰も傷つかないという世界観が逆に功を奏している。
ものの歩
「将棋」というボードゲームをテーマに扱った作品。主人公はその性格上とても動かしずらいキャラクターなのだが、それを周りのキャラクターがうまくフォローすることでそのクセの強さをうまく中和し読みやすさと新鮮さの両立を果たしている。「伸びしろ」という点においては今回紹介している全ての作品の中で一番を与えても良いと思えた。
少女不十分
原作があの西尾維新というだけあって非常に重々しくダークな雰囲気を感じた。この手の作品は一度ハマれば良い意味でも悪い意味でも底なし沼のように自分の中にまとわりついて離れない危険な魅力を持つのだが、そこに至るまでが少し難しいのかもしれない。そういった点では非常に順位を付けるのが難しく、読者一人ひとりによって1位にも100位にも成り得る作品。
僕だけがいない街
藤原竜也・有村架純主演で実写化も果たした作品。よくわるタイムリープモノと違い、話の中の整合性が一度も途切れることがなく最後まで駆け抜けていったのには本当に感銘を受けた。8巻という少ない巻数ではあるがボリューム不足に陥ることもなく、かと言って冗長になることもない、一つの漫画としてのバランス感覚が完璧だと感じた。
善悪の屑
「復讐屋」という読者層が非常に限られたテーマを題材にした作品。しかし、タブーとも言うべき表現を逃げずに堂々と描ききってる点には非常に好感が持てた。「ヤミ金ウシジマくん」や「ドラゴンヘッド」などを初めて読んだ時と近い印象を受けたのも事実で、これからの展開によっては文句なしの「問題作」と呼ばれる日も近い。
フードファイタータベル
ギャグ漫画の第一人者・うすた京介の最新作。彼らしい、ナンセンスで意味不明なギャグのオンパレードは日々のストレスを払拭するのに最適だ。読者受けを狙った露骨な美少年、美少女キャラクターやストーリーにも深い意味を持たせたがる漫画家が多い中、ここまで「笑い」というものに特化した漫画をかけるのは彼以外にはいないだろう。こういう作品が世にでなくなったら漫画界は終わりかもしれない。
レッツ☆ラグーン
「無人島」という使い古されて搾りカスも残っていないような題材にあえて挑戦しているのは非常に面白い。設定ばかりに目が行きがちだが、ストーリー描写はキャラクターの肉付きなど基本的な部分がしっかりとしているので陳腐さを感じることなくスラスラと読み進められる。
火ノ丸相撲
「相撲」を題材にした漫画の中でいま火ノ丸相撲を超える作品はないだろう。スポーツ漫画としても格闘漫画としても近年稀にみる成功作と言っても過言ではない。立ち合いでの圧倒的な迫力はこれぞ王道、ジャンプ漫画と呼ぶに相応しく、ワクワクどきどきという漫画にとって一番大事な要素がこれでもかと凝縮されている作品だ。
暗殺教室
山田涼介主演で実写化もされた作品。「暗殺」と「学園」という真逆のテーマをミックスさせ、その二つをまったく破綻させることなく魅力を増幅させている。主人公の殺せんせーをあくまでコミカルにしかし、絶対的な存在として描させていく手法はさすがの一言に尽きる。人気が出てきてからも終わりをしっかりと設け、ダラダラと引き延ばすことなくキレイに終わらせたのは見事。
くまみこ
アクションものやサスペンスものに比べるとまるで時間が止まったかのような錯覚に陥るほのぼのストーリー。心のバランスを取りたい読者にこそお勧めで、大海原にプカプカと漂うかのごとく繰り広げられるゆるい空気感は、日々の喧騒から離れバカンスに来たかのようだ。目を閉じて少し休もう、まだまだ先は長いのだから。
恋は雨上がりのように
雨が上がって晴れ間が覗いたら心も晴れやかな気分になる。総じて「恋」とはそんな感情のことを差すのだろう。そんな感情を知ったとき、国籍、性別、年齢に縛りなどない。ただただ突き進むだけ。そんな気持ちにさせられた。
いぬやしき
「ガンツ」の作者の続編。まず老人が主人公ということにも驚いたが、2話以降のストーリー展開にはかなりの衝撃を受けた。一筋縄ではいかないと思っていたがまさかここまでのものになるとは。心して読んでもらいたい。
ゴールデンカムイ
人生というものはこんな作品に出会えるのだから面白いのだなぁとつくづく感じる。これほどまでに未来への希望を感じる作品は「ONE PIECE」を初めて目にした時以来なのだが、どこかそれとは違うもの感じるとてもつかみどころのない不思議な作品でもある。大冒険活劇、そう呼ぶにふさわしいこれから大成の予感さえ感じる。
からかい上手の高木さん
青春のドアは誰にも明けられてはならない。自分の中で大事に、大事にしまっておくのがいい。そんなことを昔誰かに言われた気がするが、ふとその時のことを思い出した。そのドアを開けると楽しかったことも、嬉しかったことも、辛かったことも全てが「青春」というオブラートに包まれているのが分かる。
キングダム
中華統一という一見我々の世界とは無関係のことを描きつつも非常に多くのヒントが盛り込まれている作品だと強く感じた。明日を生き抜く力、意思というものはいつの時代も変わることはないのだというメッセージ。混沌とした世をどう戦っていくのか。明確な答えはまだ見えないが、キングダムを読めば一つの指針になるのではないかと思う。
累 かさね
「外見」それは、人が人として生きていくためにはどうしても切っても切れないもの。生まれつき外見が良ければその時点で外見の悪いものよりもアドバンテージになるというのは残念ながら悲しい現実だ。そんな現実に直面したとき、そしてそれを打開する術を持ってしまったとき、人はどう変わり、どう生きていくのか。そのせいで他人の人生を壊す結果になったとしても…戦慄の物語がここにはある。
町田くんの世界
彼の見えている景色はどんなものなのだろう。一枚のレンズを隔てた先に見えるものとは。優しくも儚い彼の物語に悲しみなど、ない。真のメガネ・オブ・メガネズがここにはいる。とてもふんわりとしたタッチで描かれる平和な世界。彼の住む世界だけ色が違うような感覚に陥ってしまう。こんなにも優しい漫画がかつてあっただろうか。
僕らのヒーローアカデミア
無個性、そんな個性を持った主人公が憧れのぞんざいにその意思の強さを見出され、成長していく王道ストーリー。キャラクター一人ひとりの存在感が強く、一見すると地味ないちキャラクターに過ぎない人物が物語のキーパーソンとして取り上げることもあり、毎度毎度胸にこみ上げるものがある。アメコミと日本の漫画のいいとこ取りのような漫画だ。
ギフト±
圧倒的なスケールと「攻め」を忘れない姿勢で描かれる禁断のサスペンスがここに誕生した。主人公を女子高生に据えておきながら紡ぎだされるは完全なる「黒」の世界。目を塞ぎたくなるような光景がここにはあるが、決して逸らさずに最後まで見届けたい。この物語の先にあるのもは「生」か「死」か。「善」でも「悪」でもない究極のストーリーがここにはある。