こんにちは音楽ライターのユウイチです。1月21日に放送された『関ジャム』の企画「業界売れっ子Pが厳選2017年マイベスト曲ランキングベスト10」で紹介された曲をまとめました。
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目次
いしわたり淳治が選ぶ2017年のマイベスト10曲
10位 ルポルタージュ/高橋優
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・優しさと激しさを持つシンガーの筆圧さえ感じるスゴい歌詞
三浦春馬主演のドラマ主題歌として話題に。彼はやさしい歌と激しい歌がまったく並列で同居している珍しいタイプのシンガー。この歌は彼の激しいサイドの曲。物凄い筆圧で、綺麗な心で汚い言葉を書いている感じがします。言葉にも歌にもまるで一筆書きのような緊張感が漂っていて、素敵です。
9位 君はロックを聴かない/あいみょん
あいみょん - 君はロックを聴かない 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
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・言葉選びのセンスが素晴らしい!!サビの歌詞にご注目
「ロックを聴かない人」と「ロックを聴く人」は明らかに違う人種だという実感のある世代が書いた歌詞という感じがして、新鮮に感じました。特になにも説明していないのに、「君はロックなんか聴かない」という一言だけで“君”という女の子の性格やライフスタイル、もしかしたら容姿までも想像できそうな感じがする。たくさんの要素を、たった一言で表現できていて、この言葉を見つけた彼女の感覚が素晴らしい。
8位 おとなの掟/Doughnut Hole
カルテット主題歌 おとなの掟 / Doughnuts Hole (椎名林檎 )
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・1曲限りの豪華ユニット。白黒付けない独特の世界
大人だから当然、恋愛の酸いも甘いもわかっている。でも、だからといって物分りがいい訳ではない、というトーンで。最初から最後まで意味深に進む歌詞。好きだの嫌いだのと白黒つけない、文字通りグレーな感情を、グレーのグラデーションだけで、一曲書き上げてしまう技術はさすがの一言です。
7位 ステップアップLOVE/DAOKO×岡村靖幸
DAOKO × 岡村靖幸『ステップアップLOVE』MUSIC VIDEO
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・J-POPの歌詞の新しいカタチ。天才が魅せた言葉遊び
近年のJ-POPの歌詞は、歌詞の内容を問われる時代が長らく続いていたような気がします。ですが昨今はHIPHOPの勢いが増してきて、J-POPの歌詞も徐々に言葉遊びや韻の面白さというのが、再びスポットライトを浴び始めている気がします。
随所で美しく踏まれた韻、特にサビの「いろは」と「異論反論」歌詞の展開、歌いっぷり、超一流の線を感じました。
6位 残ってる/吉澤嘉代子
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・「朝帰り」の空気感を抜群の作詞技術でパッケージ
多くの人が経験があるだろう、朝帰りのあの感じ。帰りたくない、隣で眠っていたい、と直接的、感情的に書くのではなく、素直に帰りながら「まだあなたが残ってる」と表現するセンスに彼女の美学を感じます。
この「あなたが残ってる」という言葉は聞き手がそれぞれの「あなた」像をしまえるしっかりした造りの棚になっている気がします。
5位 少しでいいから殴らせて/DADARAY
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・あの人の才能を再確認。強烈だけどキャッチーな歌詞に注目
川谷絵音という人は、意識的にキャッチーを作るのが本当に上手い。この歌詞も「殴らせて」だけじゃあ単純に怖いだけ。彼はそこに「少しでいいから」と付ける。それによって「少しでいいから」と「殴らせて」の間にちょっとした人間味が生まれている気がします。
4位 避雷針/欅坂46
欅坂46 『避雷針』 (Keyakizaka46 - Hiraishin) MV
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・アイドルなのに文学的・思わずうなる作詞テクが随所に
「風に吹かれて」のカップリング。サビで「ネガティブ」と連呼した直後に「僕が盾になるしかない」とポジティブに切り返してからの「そばに立っててやるよ悪意からの避雷針」という畳み掛け方、作詞技術として見事です。
3位 魔法のように/SHISHAMO
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・誰かの暮らしの中で機能している名曲、とにかく歌詞がイイ!!
こんな歌を口ずさみながらメイクした人は、無言でメイクした人より輝いてるんじゃないかなと思います。きっとこのうたは世の中の誰かの暮らしの中で明るく機能しているのでは。「頭の中の私はきっと誰よりもかわいい」で終わるのではなく「そう思えますように」で終わるところも素敵です。
歌詞には顔文字は使えません。でも殆どの若者は顔文字をつけて文章を打ちます。その意味でこの「思えますように」はある種の“言葉の絵文字”のような役割の気がします。
2位 TT/TWICE
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・「SHISHAMO」の真逆!!顔文字をそのまま歌う驚きの発想
本来なら声に出して読むはずのないTTという泣き顔の絵文字を、声に出して読んだらこんなにもキャッチーに聞こえるのだという衝撃、その逆転の発想に驚きました。
1位 呼吸/菅田将暉
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・2017年一番の衝撃!!「役を演じるプロ・俳優」ならではの歌。
いつからか日本の音楽はアーティストと呼ばれる人たちの自己表現の場になってしまいましたが、かつては「役を演じるプロ」である俳優ならではの歌というのが沢山ありました。菅田将暉の歌を聴いていると忘れかけていたその感覚が帰ってくる感じがします。
演じるという意識が入ったちょっとキザな雰囲気、ざらざらした声の質感、凛とした立ち姿、そのどれもが今の日本の音楽には新鮮に映ります。彼の歌や佇まいには、日本の若い世代に対する新しい音楽の可能性が詰まっている感じがします。
蔦谷好位置が選ぶ2017年のマイベスト10曲
10位 絶対君じゃ嫌なんだ/SEVENTEEN AGAiN
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・美メロなのにバカバカしい歌詞。2017年一番笑った曲
去年一番笑った曲。ただ相手が「嫌」だと連呼している歌。なのにポップでキレイな切ないメロディー。キレイなメロディーを嫌いな人のために使っているのがバカバカしくて面白い。
9位 Cho Wavy De Gomenne/JP THE WAVY
Cho Wavy De Gomenne Remix feat.SALU
Cho Wavy De Gomenne (Remix) [feat. SALU] [Explicit]
- アーティスト: JP THE WAVY
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・とにかくクセになる。替え歌なども流行った楽曲
インスタグラムやツイッターを中心にいろんな人が踊ったりマネして替え歌したりPPAPに近い現象が起きた。トラック自体は今アメリカのアトランタを中心に流行している「トラップ」と呼ばれるすごくテンポの遅いトラック。都市型&若者中心ではあるが2017年かなり話題になった曲。
8位 Space Brothers/MAHBIE
Space Brothers (feat. 田我流 & Bobby Bellwood)
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・見た目を裏切る作曲センス。去年最も驚いたトラックメイカー
MAHBIEは2017年最も驚いたトラックメイカーでサンプルや音色のチョイス、ビートのグルーヴ感、ミックスバランス、それも非常にセンスがよく気持ち良い。
7位 愛を伝えたいだとか/あいみょん
あいみょん - 愛を伝えたいだとか 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
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・魅力は歌詞だけじゃない!!メロディーメイカーとしての才能に注目
歌詞に注目されることが多いシンガーソングライターだけど、メロディーメイカーとしての才能も光っている曲。
Just Two Of Us進行と呼ばれる有名なコード進行を使った曲で、邦楽では椎名林檎の「丸の内サディスティック」など名曲も多いがコード進行自体の色が強いのでメロディが平凡な曲になりがちな諸刃のコード進行。その中で自身の声の魅力を活かした印象的なメロディーを作れるところが彼女の強みの一つだと思います。
6位 Best Part of Us/AmPm
Best Part of Us / AmPm feat. Michael Kaneko
Best Part of Us (feat. Michael Kaneko)
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・日本人アーティスト逆輸入時代到来。海外進出の新しい答え
日本を越えて先に海外で火がついたアーティストでSpotify(音楽ストリーミングサービス)で爆発的にヒットした曲。日本のチャートではなくワールドチャートに入っている。新しいサービスを利用し自分たちで発信して世界へ出て行った。こういう海の越え方もあるんだという一つの方法を提示したアーティスト。
5位 君はセクシー/奇妙礼太郎
・まるでストーリーテラー。空気を変える不思議な歌声
ストーリーテラーのような不思議な声を持ったシンガー。声自体に憂いを帯びていて、この人が歌うだけで空気が変わる感じがする。
4位 残ってる/吉澤嘉代子
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・イントロはあの名曲へのオマージュ!?映画のワンシーンのような歌
朝帰りというとネガティブなイメージがあるが、一人の女性の心情をこんなにも美しく切なく描ける才能と、それを表現しきる歌唱が素晴らしい。まるで映画のワンシーンを切り取ったような歌。
イントロが井上陽水の「帰れない二人」とそっくりでおそらくオマージュとしてわざと似せていると思う。
3位 ノンフィクション/平井堅
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・あのヒットメイカーの新境地。一本のアコギが生む緊張
アコギだけでいきたいという平井さんのアイディアもあったようで前半部分の緊張感がものすごく良い。ギターを弾いている石成正人さんは日本屈指のギタリスト。なのにわざと荒い感じに弾いているところが赤裸々な歌詞とさらけ出すような平井さんの歌と合っている。
2位 Tell Me Baby/Official髭dism
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・思わず車を停めて聴き入った日本のポップスの未来が見えた楽曲
去年車を路肩に停めて聴いた曲。ラジオから流れてきたイントロを最初に聴いたときブルーノ・マーズの新曲かと思った。世間では洋楽的なサウンドに英語詞をのせるタイプの曲もあるが、この曲は洋楽的要素をうまく取り入れながらちゃんと日本のポップスになっているところがいい。
岡村靖幸さんの流れも感じるような色気もあって、日本のポップスの未来も明るいなと感じた曲。
1位 灰色と青(+菅田将暉)/米津玄師
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・流行と王道の見事なバランス感覚とメロディーセンスに脱帽
米津玄師はぶっちぎりの1位です。今日本で一番自由を手に入れて成功しているアーティストだと思います。イントロからボコーダーという声をシンセと合成して和音にできる音が入っており、これは「デジタルクワイア」と呼ばれる。ここ数年流行のサウンド。彼がリスペクトするBUMP OF CHICKEN以降の日本のロックサウンドの中に流行も取り入れるバランス感覚が見事。
世界を見渡しても米津くんほど美しい音楽を作っているアーティストはなかなかいないと思います。