みなさん「坂元裕二」さんという脚本家をご存知でしょうか?
『同・級・生』や『東京ラブストーリー』といったドラマの脚本家さんといえばわかるかもしれません。
彼の描き出すリアルな人間描写、ほんの些細なシーンにも意味を持たせるそのプロット力は日本ドラマ脚本界でも屈指の実力と言われています。
今回は、そんな坂元裕二さん脚本のなかでこれは面白いと思ったドラマ作品をランキング形式で紹介します!
(上記二作品はあまりにも万人が知っている作品のため今回は除外します)
※商品リンククリックでAmazonページへジャンプ
10位 太陽と海の教室 2008年
主演:織田裕二、北川景子、岡田将生、北乃きい など
型破りな教師・櫻井朔太郎を織田裕二が熱演し、生徒たちの様々な問題を解決していくというストレートな熱血青春ドラマ。
かと思いきや、そこだけでは終わらないのが坂元裕二マジック。中盤から後半にかけて徐々に感じていた違和感の正体が明らかになり、一気に物語は加速します。坂元裕二作品のなかでもマイナーな部類に入るこの作品ですが、ファンなら必見の作品です。
9位 問題のあるレストラン 2015年
出演:真木よう子、東出昌大、二階堂ふみ、高畑充希、松岡茉優、安田顕、菅田将暉 など
セクハラ、ジェンダー、コミュニケーション能力、さまざまな「問題」を抱えた女性たちがビストロレストラン「フー」を開店し、仲間たちの絆や生きる喜びを見出していくというある意味では女性賛歌的な作品。
真木よう子さんをはじめとするフーメンバーのコミカルとシリアスのバランスが絶妙な演技はもちろん特に中盤での、二階堂ふみ、高畑充希、松岡茉優の注目若手女優三人が織りなす友情模様に自然と涙が溢れます。
そんな美しく描かれる女性陣たちに反比例するかのように男性陣の醜悪さや浅はかさなどを前面に押し出している作品で、杉本哲太さんや吹越満さんをはじめとする男性俳優さんたちはその演技力も相まってとことん憎き存在として描かれているので本当に嫌いになります(笑)
8位 猟奇的な彼女 2008年 出演:草なぎ剛、田中麗奈、松下奈緒 など
韓国ドラマとしておなじみのこの作品。鬼彼女に振り回される草なぎ剛さん演じる三郎と田中麗奈さん演じる乱暴ながら人としての優しさに溢れた凛子のバランス感覚は絶妙で、観ているだけで楽しく、そしてときにはホロリとさせられます。そしてそれらを束ねる坂元裕二さんのストーリーテリング力は脱帽の一言に尽きます。
7位 ラストクリスマス 2004年
出演:織田裕二、矢田亜希子、玉木宏、森山未來
東京ラブストーリーを彷彿とさせる坂元裕二が描く本格派ラブストーリー。食い違いながらもお互いの想いを深めあっていく健次(織田裕二)と由季(矢田亜希子)の二人の行く末をいつまでもいつまでも見守りたくなるような冬がテーマなのにホッと心が暖かくなるドラマです。
脇を務める玉木宏さんや森山未來さんもドラマに色を添えてくれています。
6位 いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 2016年
出演:高良健吾、有村架純、坂口健太郎、高畑充希、森川葵、西島隆弘(AAA)など
いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう Blu-ray BOX
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2016/06/22
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (2件) を見る
20代を生きる若者たちのリアルな夢と恋愛模様を描いた作品。非常にシリアスかつダークに描かれている部分があるのでいままでの坂元裕二とは一線を画する作品なので賛否両論の分かれたドラマでもあります。特に後半、あの大災害以降からの展開は鬱展開とも呼ばれ、非常に挑戦的かつセンセーショナルな内容となっています。
しかしながら、辛い現実を必死に生きる練(高良健吾)を、音(有村架純)に感情移入し二人の幸せを心から願ってしまう自分がいます。誰にでもおすすめできる作品ではありませんが自分のなかにいつまでも残しておきたい作品です。
5位 Mother 2010年
出演:松雪泰子、芦田愛菜、尾野真千子、綾野剛、山本耕史 など
『母性』をテーマにした作品。「母性」と言ってもいわゆるよくあるような母と子の絆の物語ではなく、そこから生み出される人間の弱さ、醜さ、そしてそれと向き合うことで生まれるあらゆる感情の物語です。天才子役・芦田愛菜ちゃんんが見つかった作品でもあります。
4位 Woman 2014年
出演:満島ひかり、田中裕子、二階堂ふみ、高橋一生、小林薫、小栗旬 ほか
さまざまな困難を乗り越えながら自分と家族を守るために闘う母の物語。満島ひかりさんの陰のある演技はもちろんのこと、物語に比例するかのような照明の当て方が本当に彼女の心の内を表現しているかのようでハッとさせられます。物悲しくも明日への希望を見いだせるような、そんなドラマです。
3位 カルテット 2017年
出演:松たか子、満島ひかり、松田龍平、高橋一生 ほか
どこか欠点を持つ大人たちの夢と恋愛模様を描いた坂元裕二最新作品。音楽とドラマがこれほどまでに美しくマッチした作品を私は知りません。「嘘」「秘密」を抱えながらもほんとうの「仲間」「家族」として絆を深めていくカルテットのメンバーをいつまでもいつまでも見守っていたい、そんな感覚が芽生えるドラマです。 カルテットを引っ掻き回す女性を演じた・吉岡里帆さんの怪演も光ります。
2位 それでも、生きていく 2011年
出演:瑛太、満島ひかり、柄本明、風間俊介 ほか
「それでも、生きてゆく」ディレクターズカット完全版 (初回封入特典終了) [DVD]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2012/01/06
- メディア: DVD
- クリック: 80回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
被害者家族と加害者家族、似ているようでまったく違う傷を背負った2つの家族の人生を描いた作品。『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』を上回る元裕二史上、類を観ないほど悲しくも儚い作品です。主演二人の演技はもちろん、加害者を演じた風間俊介さんの目の座った演技は本当に心がえぐられます。
1位 最高の離婚 2013年
出演:瑛太、尾野真千子、真木よう子、綾野剛 ほか
夫と妻、男と女のすれ違い、価値観の違いをコミカルに描いた坂元裕二作品の真骨頂とも言える作品。彼のドラマ全般に言えることなのですが、俳優たちが与えられた役を演じていくにつれ、自分を役柄に引き寄せているというかどんどんとその人自体がその役になっていくような、俳優と役が一体となっていくる、そんな不思議な感覚に陥るのです。
そんな感覚を覚えるドラマはそれこそ10本に1本出会えるかどうかだと思っています、その1本がこの『最高の離婚』です。最高のドラマでした。
まとめ
こうして作品を振り返ってみると、坂元裕二さんの作品は気に入った俳優を繰り返し起用する傾向にありその役者の様々な顔を見ることができるので俳優ファンとしてはたまらないものがあります。
どの作品も「とっつきにくさ」という点においては最近の「逃げるは恥だが役に立つ」などにはかなわないかもしれませんが、一度その世界観にハマればどっぷりと坂元裕二という名の深い海の底まで連れて行ってくれること間違いなしなので、まずは「あっ、この人が出てるんだ!」というような興味からでいいので一度観ていただければうれしいです!(文:えのこ)